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コラム

ボランティアの手で守られる山一面にシャクナゲが咲き誇る風景|星の花公園 シャクナゲまつり|福岡県八女市

春というと新緑が芽吹き、花咲き誇る季節。心地のいい春風を感じに、誰しもが外へと足を運びたくなることであろう。かくいう私もそのひとりで、この季節になると景色のいいところへと出かけたくなる。というところで、どこか花が見ごろの場所はないだろうかと探すと、福岡県八女市星野村で“シャクナゲまつり”なるものが開催されているのが目にとまったので早速、会場である星の花公園におじゃましてきた。

さて、そういえばそもそもシャクナゲというのがどのような花なのかよく知らない。そこで少しリサーチしてみた。シャクナゲとは常緑性の花木で、主な原産国は中国。19世紀中ごろ、プラントハンターたちによって西欧に持ち込まれると、その豪華絢爛な花弁で人々を魅了し、これまでに5,000を超える品種が生み出されてきた。今や春を彩る花木のひとつとして、西欧を中心に世界中で親しまれているという。

これから向かう星の花公園は8.6ヘクタール(よく耳にする比較対象である「東京ドーム何個分?」というので表すと、およそ2個分)の広大な敷地に、全盛期で30,000本、現在でも15,000本ものシャクナゲが植えられているというので、見ごろの時期ではどれほど華やかな場所になっているのだろうかと想像し、今から楽しみだ。

久留米ツツジ

八女香春線沿い、JAふくおか八女星野支店横の道から星の花公園に向けて山を登っていると、見えてきたのは色とりどりの久留米ツツジが傾斜一面、絨毯のように咲き誇るエリア。今回、シャクナゲを目当てにここまできて、思わぬ景色に得した気分だ。もはやこの美景だけでもここ八女市星野村まできた価値があると言えるだろう。

そこからさらに登った先にあるのが、星の花公園。駐車場に着くと小山ひとつ分が一面シャクナゲで埋め尽くされている。ここには筑紫シャクナゲと西洋シャクナゲの主に2種類が植えられているのだが、淡いピンクの筑紫シャクナゲが多くを占めるからか、周りの山林になじむ和な雰囲気。日本人としては落ち着くのでむしろいい。

一方で、ところどころに植えられている西洋シャクナゲは赤く色鮮やかでアクセントになっている。近くで観察すると十数輪の花弁が集合したくす玉状の花はまさに豪華絢爛という言葉がぴったりだ。「花木の女王」と呼ばれているのにも納得する。

余談であるが、ここ星の花公園はボランティアの手によって管理されているという。受付されていたボランティアの方にお話を聞くと、シャクナゲは花が枯れたらすぐ摘まないと、来年の花となる芽が育たないとか。これほどの規模をボランティアで管理しているとは……地域の方々の想いに頭がさがる。と同時に、私の地元にこれほどの想いで守っていきたい、伝えていきたい場所はあるだろうかと考えさせられた。

筆者:堀本 一徳(FCP 編集長)

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