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コラム

見渡すかぎり木、木、木!原木市場で年に2回の特別市を見学してきた|福岡県八女森林組合|福岡県八女市

住宅や家具などに使われる原木がどのように売り買いされているのかご存じだろうか。山林を管理する林家から直接買い付けるのか。それも確かにある。が、実は原木にも、魚や野菜と同じように市場が存在し、いわゆる競り(せり)が行われている。ということで、本日(11月16日)は年に2度(春と秋)の特別市が開催されるとの情報を得て、先日取材させていただいた福岡県八女森林組合に再びおじゃました。

広々とした空間はどこを向いても木、木、木。八女やその周辺地域から集められた原木の量は、じつに5,500リューベー(立方メートル)。もはや途方もなさすぎて、素人にはピンとこない。中には、樹齢200年級のヒノキもあり、大自然の底知れないパワー、時の流れにただ、ただ圧倒される。

余談だが、原木を見ていると、ところどころ断面の黒いものがある。何だろうとたずねると、黒芯材と呼ばれ、色の濃いものほど重いのだとか。その理由はDNA(遺伝的)であったり、土壌に含まれる鉄分やカリウムなどの濃度であったり、はたまた菌の繁殖であったりと諸説ある。うむ。木というのは私たちの暮らしにもっとも身近な素材のひとつだが、まだまだ知らないことだらけで奥が深い。

さて、そうこうしているうちにぞくぞくと林業関係者が集まってきて、和気あいあいとした雰囲気で親睦を深めていらっしゃるご様子。だが、いざ競りがスタートすると場の空気は一変し、皆一葉にプロの顔となる。野菜や魚の競りとは違い、紙に希望の値段を書いて渡すスタイルで静かなものだが、次々と原木に値がついていく展開の早さについていけない。そして、ベストショットを逃してしまう私。(涙)

何と、今日だけで5,500リューベーもの原木、ほぼすべて買われていくという。そうして各地で建材や家具材などに変わっていくわけだ。今回、原木市場を見学させていただき、私たちが普段何気なく過ごす自宅やそこにある家具など身の回りのものというのは、本当にいろいろな人が関わっているのだと、あらためて実感させられた。

筆者:堀本 一徳(FCP 編集長)

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