全国各地でさまざまな利活用が進められている廃校。ここ福岡県みやま市にある旧山川南部小学校もそのひとつで、グラウンド跡地にはバイオマスセンターを建設され、校舎はカフェや食品加工室、コワーキングスペース、レンタルオフィス、研修室などに改装された複合施設だ。今回は、みやま市役所環境経済部の副島さんに、ルフラン(旧山川南部小学校)ができた経緯やその魅力、今後の展望などを伺った。

バイオマスと創業支援の異色の複合施設
– ルフランとはどのような施設なのですか?
副島さん:ルフランは旧山川南部小学校を活用してできた施設でして、グラウンド跡地にはみやま市バイオマスセンターを建設し、校舎はカフェや食品加工室、シェアオフィス、研修室などがはいる空間に改装した施設です。

– ルフランを立ち上げられた経緯を教えてください。
副島さん:地域の貴重な資源を地域内で循環することで、地球環境にやさしいだけでなく、コスト削減や農業の振興にもつなげる目的でバイオマスセンターが建設されました。そして、このセンターを中心に、ヒトが集まり、交流が生まれる賑わい・チャレンジの施設にするというコンセプトを掲げ、地域の方々を中心に検討チームをつくり、具体的な廃校校舎の活用方法を検討していきました。結果、今のようなカフェやオフィスがはいるルフランが完成しました。

副島さん
1時間から出店可能で気軽に挑戦できる
– ルフランの施設としての魅力というと?
副島さん:とくにカフェやオフィスのある旧校舎のウリのひとつが、利用のしやすさです。例えば、カフェは1時間220円で借りていただくことができます。この日の数時間だけ、と短期間だけ借りられて気軽に出店できるのが魅力でしょう。
2019年に開業してから多くの店長さんたちにご利用いただいていまして、今日出店されているhanaRay(@hanaray_870)さんもそのひとりです。

hanaRayさん
– hanaRayさんはどのような経緯で出店されたのですか?
hanaRayさん:もともと飲食関係で働いていたのですが、結婚を機に10年ほど離れていました。正直、もう飲食に関わる気はなかったです。でも、ルフランのレンタルオフィスを利用している知人を訪ねたときに、こちらのカフェの存在を知りまして、手軽に借りられるし、ちょっと挑戦してみようかな、くらいの気持ちではじめました。
そうしたらありがたいことに少しずつお客さまがついてくださるようになって、来月(3月)で卒業して、4月からは自分のお店をオープンすることが決まっています。はじめて来たときは、こうなるとは想像していませんでした。人生って何が起こるかわからないものですね。(笑)
副島さん:ご利用いただいている店長さんたちはそれぞれで情報発信されていますし、ルフランのInstagramアカウント(@yamakawa_nanbusyo)の運用にもご協力いただくなど全員で集客に力を入れてきました。そのおかげでこのルフランという空間にお客さまがついてきている状況です。はじめて出店される方がゼロから集客しなくてもお客さまが来てくださる、というのも魅力のひとつかなと思います。
新たな挑戦の場となり夢が生まれる場に
– カフェは独立を前提とした施設ということですか?
副島さま:そうですね。店長さんたちで構成されている組合がありまして、こちらで「登録から3年で卒業」というルールを決めていらっしゃいます。固定のお客さま(ファン)がついてきて、もうここにある機材だけでは満足できないぐらい成長されてきた方から卒業(お店を出される)というイメージですね。
– 最後に、ルフラン(旧校舎側)の今後の展望を教えてください。
副島さま:市としましてはルフランを開業の第一歩として多くの方にぜひ活用してもらい、将来的にみやま市の経済の活性化につながっていけばというのが理想です。今日出店されているhana Rayさんだけでなく、これまでにも山川町の古民家を改装して自分のお店オープンした方や、市内のご自宅に工房をつくってケーキ屋さんを開業された方もいます。このようにルフランが新たな挑戦の場となり、みやま市の未来をつくる拠点になっていけばうれしいですね。
【取材対象者情報】
| 業種 | 飲食 |
| 事業所名 | ルフランカフェ |
| 担当者名 | みやま市役所 副島 智夫 |
| 所在地 | 〒835-0113 福岡県みやま市山川町重冨121 |
| 連絡先 | 0944-32-8575 |
| 営業日 | 日により異なる。Instagramを確認⬇︎ |
| SNS | Instagram(@yamakawa_nanbusyo) YouTube(ルフラン 旧山川南部小学校) |











