令和7年5月25日に東櫛原町から百年公園内に移転した久留米市動物愛護センター(旧称 久留米市動物管理センター)。移転にともない施設内の設備は何が変わったのか、そして公園内という立地を活かし、動物愛護センターとしてどのように保護されてくる犬や猫と向き合っていくのか。4月に赴任されたばかりという山下所長に、施設の特徴や活動、赴任されてから感じたことなどを伺った。

より良い譲渡につなげられる環境へ
– 施設の主な役割について教えてください。
山下所長:久留米市動物愛護センターの開所式で久留米市長が挨拶で申し上げましたけれども、新センターは保護された犬や猫をより良い譲渡につなげるための施設として考えています。ただし、ここは保健所の一施設なので、そもそも保護される犬や猫が減ることが大切だと思います。そのために当センターとしては犬や猫の適正飼養に関する情報発信にも力を入れています。例えば、新センターは公園内に移転しましたので、掲示板を新設し啓発ポスターを掲示したり、市が企画するイベントでチラシを配布したり。一つひとつは小さな取組ではありますが、1頭でも不幸な動物が減るよう願って活動しています。
– 移転されて設備的に何が変わったのですか?
山下所長:まず施設面積が以前のおよそ2倍になり、犬でしたら大きさによりますが8頭、猫でしたら50頭ほど収容できるようになりました。新センターには、保護された犬や猫のためのトリミング室や屋外運動場、感染症に配慮した隔離室を整備しました。また、猫をガラス越しに見ていただける展示室も新設しました。

犬や猫の情報はホームページに随時掲載
– 犬や猫はどのように保護されているのですか?
山下所長:新センターでは、狂犬病予防法に基づいて、飼い主から逃げ出した犬や野犬などの放浪犬を保護しています。また、動物愛護管理法に基づく引き取り、警察からの保護、負傷動物の保護を行っています。収容した犬や猫は、必要に応じホームページに掲載するなど飼い主への返還に努めています。
– 譲渡希望の方ならいつでも見学に来てもいいのですか?
山下所長:はい。開所している時間でしたらお越しいただいて大丈夫です。ただし、常時譲渡可能な犬や猫がいるとは限らないのでご了承ください。譲渡可能な犬や猫の情報はホームページ(譲渡犬・猫の情報はこちら)に掲載していますので、事前に確認された方がいいと思います。ちなみに、新センターは久留米百年公園という公園内にありまして、周辺環境がすごくいい全国的に珍しいタイプの動物愛護センターです。そのためか開所したばかりのころは、公園に来られた方が「犬(猫)はいますか?」と気軽に立ち寄られることもありましたよ。(笑)
– 譲渡には審査があるのでしょうか。
山下所長:犬や猫のためにもきちんと飼っていただける方に譲渡したいので、どなたにでも譲渡できるわけではないことはご理解ください。譲渡を希望される方の年齢、家族構成や家族の同意があるかなどを伺いながら、飼育環境を確認したうえで手続きをさせていただいています。

市職員としてできることに向き合う
– 最後に、今年4月に赴任されてみていかがですか?
山下所長:以前は全く異なる分野の部署にいましたから、動物愛護センターに異動が決まった時は右も左もわからず不安なこともありました。ですが、私が4月に着任してからの短い期間でも保護された犬や猫を飼い主のもとに帰すことができたり、譲渡先が決まったりして、本当によかったなという気持ちになりました。市職員という立場上、どうしてもできることには限りがありますが、保護された犬や猫が1頭でも幸せな道に歩めるよう、愛護団体の皆様などの協力を得ながら、私たちにできることを積み重ねていきたいと思います。
【取材対象者情報】
| 業種 | 動物福祉 |
| 事業所名 | 久留米市動物愛護センター |
| 担当者名 | 所長 山下 泰利 |
| 所在地 | 〒839-0864 久留米市百年公園1-2 |
| 連絡先 | 0942-30-1500 |
| 開所時間 | 8時30分から17時15分 |
| サイト | 犬・猫の譲渡情報ページ |




