第2回｜町が注目する介護の未来を変えるべく立ち上がる若者たちの取り組み｜つむぐカフェ｜佐賀県みやき町

介護業界のネガティブなイメージを払拭したいとの想いで、介護の悩みを話したい、聞きたい方がつながれる（つむぐ）場所として設立された、つむぐカフェ。11月10日、2回目が佐賀県みやき町の市村清記念メディカルコミュニティセンターで開催されると、周辺の市区町村に比べて医療介護従事者が多いというみやき町では行政をあげて今後の活動に注目が集まっている。そこで、つむぐカフェを運営する石田さんと川畑さんに2回目を終えての感想と今後の展望を、また今回協力いただきましたみやき町の岡町長に町としてのこの取り組みに対する考えを伺った。

（真ん中） 川畑さん

幼少期の楽しかった思い出から介護の道へ

– 介護業界に興味をもたれたきっかけを教えてください。

石田さん：小学生のとき授業で特別支援学校と交流することがありまして、そこでの体験がすごく楽しかったのが介護業界に興味をもったきっかけです。その後、中学生のときに介護福祉士という仕事があることを知り、私のなかでピンときたものがありまして、これになりたい！と高校生から本格的に福祉の勉強をはじめました。

川畑さん：私も彼女（石田さん）と似ていまして、通っていた小学校では介護施設を訪問する機会が多くありました。そうして利用者の方々と交流するなかで、なぜか私はお年寄りに好かれやすいタイプなことに気づいたんです。（笑）その後、大学で栄養学を学ぶなかで、将来どういう方向に進むのか考えたとき小学生のころを思い出しまして、もともとお年寄りに好かれやすいし、求めてもらえるのならそこで活躍した方がいのではと管理栄養士として介護業界に進むことを決めました。

手探りのなか見えてきた課題と手応え

– 先日（11月10日）2回目を終えられていかがでしたか？

川畑さん：2回目は介護職によくある悩みのひとつ腰痛の予防のため、ピラティスの講師を招いてのワークショップを開催しました。1回目のカフェ形式からガラッと雰囲気を変えた企画でどうなるのか不安でしたが、参加者からは「同世代が多くいたので楽しかったです」「職場以外で同世代とつながれる場はとても貴重で、参加してよかったです」など多くのうれしいお声をいただくことができほっとしています。

石田さん：まずは参加者の皆さまにピラティスの体験を通じて腰痛予防であったり、体を動かす楽しさであったりを感じていただけたのではと思います。はじめはつむぐカフェのメンバーも、参加者の皆さまも緊張気味でしたが、しだいに笑顔や会話が見られるようになっていきとてもうれしかったです。個人的にはまだ進行役に慣れていなくて気持ちに余裕がなかったので、反省すべき点はまだまだある回でしたが、とてもいい経験となりました。

石田さん

周りを巻き込み人と人をつなぐ（つむぐ）

– つむぐカフェを今後、どう展開されたいのか教えてください。

石田さん：今後は3か月に1回のペースを目標に、オフラインイベントを開催予定です。その間はオンラインで私たちの活動であったり、スタッフそれぞれの職種や強みを生かした内容のものであったりを発信していきたいとも思っています。

この活動を通して業界内外の交流を活発にしていき、とくに現役の方に介護職が社会からどれほど必要とされているのか、周りにどれだけ心強い仲間がいるのかを知っていただきたいです。そうしてまずは介護業界の中から意識を変えていければそれは利用者に提供されるサービスの質につながっていき、ひいては外から見たときの介護業界のイメージにもいい影響があるのではと考えています。

川畑さん：私はこれまでに相談員という仕事もしてきました。親が急に介護が必要になってどうしたらいいのかわからない、というご家族を何人も見てきたからこそ、誰もが介護について気軽に相談できるような社会になっていけたらなと思います。その小さなきっかけでいいので、つむぐカフェが現場で働く人と利用者、その家族をつなぐ（つむぐ）場所になっていければいいですね。

（左）岡町長

町をあげてこの取り組みを後押ししていく

– 最後に岡町長、この取り組みに対してひと言いただけますか。

岡町長：みやき町は佐賀県20市町のなかで医療介護に従事する人口がもっとも多い地域です。それだけにつむぐカフェのように若い医療介護従事者が自主的に交流を深めようとする動きは個人的にも、そして行政としてもとてもよろこばしいことですし、その広がりが大きくなっていくことを期待します。そのために町として何かできることがあるのならば、可能なかぎりバックアップしていきたいという思いです。

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