大人になった今でもこの時期、そうクリスマスが近づいてくると、どこか心が浮つくというのは私だけではないだろう。ただ、家族ができ、まだ小さな子どもたちがいると、その楽しみ方というのは変わってくる。若かりしころのように足取り軽く、恋人や友人たちと街中までイルミネーションを観にいく、みたいなことは難しいわけだ。
それゆえここ数年、クリスマスといえば家でツリーを飾りつけ、聖なる夜にはちょっと豪華な料理とケーキを食べて、あとは子どもたちとサンタクロースの訪れを寝て待つのみ。え、サンタクロースはどこからやってくるのかって? いじわるなことを聞くものではない。さて、なぜながながと小さな子どもがいる家族連れのクリスマス事情を話しているのかというと、先日、熊本で開催されているクリスマスマーケットを訪れる機会があったからだ。

クリスマスマーケットというと、広場の中央に大きなツリーがあって、ちょっと異国感ある料理とお酒(主にワインとビール)を楽しめて、クリスマスグッズのお店が立ち並ぶ。どちらかというと暗くなってからが本番で、小さな子ども連れの家族では立ち寄りづらいイメージがある。のだけれども、熊本のクリスマスマーケットはそうした私の偏見を見事に打ち砕いてくれた。
確かに、熊本のそれも伝統的な形式であるのは同じだ。ほかと大きく異なっていたのは、中央にあるクリスマスツリーが竹でできていて、さらにジャングルジムになっているということ。大人たちが屋台の料理をつまみに、お酒を飲みながらおしゃべりに花を咲かせている間、子どもたちはジャングルジムで遊べるというわけだ。
あぁ、そろそろ帰る時間か、とお開きにしようとふと子どもたちを見ると、彼らはまだまだ元気に遊びつづけている。大人でもあのジャングルジムは、心くすぐられる細工であるのは間違いないのだが、とはいえ子どもたちの無尽蔵の体力というのは末恐ろしい。

ちなみに、ジャングルジムがあるのはJR熊本駅会場で、そのほかには花畑広場会場(SAKURAMACHI Kumamoto前)と、光の森会場(菊陽町光の森)の3つの会場で同時開催されている。熊本のクリスマスマーケットの見どころは、けしてジャングルジムだけではない、と言っておこう。クリスマスマーケットの醍醐味である温かくて美味しい料理、ホットワインやホットチョコレートなどのグルメを楽しめるし、クリスマスグッズを買い求めることもできる。
そして何よりの見どころなのが各会場を彩る、竹あかり総合プロデュース集団CHIKAKENが手がける竹あかり。地域によっては厄介者として扱われている竹が、人の手によって無数の穴を開けられ、内側から光が漏れ出るさまはまるで絵画のような幻想的な世界をつくり出している。

JR熊本駅会場と花畑広場会場は12月25日まで、光の森会場は12月21日まで、と今年はあとわずかではあるが、もしまだ予定に余裕があるのならぜひ立ち寄ってみることをつよくおすすめする。2018年の初回から毎年開催されているとはいえ、CHIKAKENとゆかいな仲間たちが手がける、今年の熊本のクリスマスマーケットはこの場所、この瞬間でしか体験できない特別なものなのだから。
筆者:堀本 一徳(FCP 編集長)
撮影:スタジオタカノ




